イギリス生活 テレビ

コロナ禍のイギリスで、キラキラのひとときをありがとう!!①

画像出典:THE TELEGRAPH

サマータイム(夏に時計を1時間早めて、明るい時間を楽しむ制度)が終わり、時計の時間をもとに戻すと、午後3時半には暗くなってしまうロンドンの冬。

そんな雨ばかりで暗いイギリスの冬に、私が唯一楽しみにしているテレビ番組があります。
キラッキラノリッノリ
ゴシップも満載の超人気番組、その名もStrictly Come Dancing!

ただでさえ鬱になる人が多い冬ですが、今年はコロナ禍のせいもあり、みんなの気分も暗くどんより。

感染防止のため、続行が危ぶまれましたが、「こんな時こそ、キラキラの夢の世界で皆の気分を盛り上げなくては!」と出演者と番組製作者の努力の結果、念願かなって実現しました!

毎週土曜の夜は、子供を夫に任せて(押し付けて?)ワイン片手にウッキウキで観ていたんですが、今シーズンも終わってしまって、完全にStrictlyロス状態です・・・。

今日はその余韻に浸りつつ、2020年12月半ばに幕を閉じた、今年のファイナルをまとめてみます。

イギリスで大人気のテレビ番組"Strictly Come Dancing”


画像出典:BBC公式HP

この番組はイギリスの国営放送局、BBCで1949年から1998年まで続いた長寿番組、Come Dancingが、2004年にリニューアル、パワーアップしてスタートしたダンスコンテスト番組です。

世界トップレベルのラテン / ボールルームダンサー(兼振り付け師)達が先生となり、芸能人や元スポーツ選手、元政治家などのセレブ出場者とペアを組んで、毎週みっちり課題のダンスを叩き込みます。

そして土曜の夜にそれぞれが成果を披露。ジャッジが得点を出した後、視聴者がネットや電話で投票します。

翌日の日曜夜に得点と投票の総合結果を発表し、下から2組のペアが再度ダンスを披露。ジャッジの多数決で翌週残るのはどちらのペアか決定します。

最後に勝ち抜いたファイナリスト3,4組から、視聴者による投票によりその年の勝者が決定します。

毎年、恋の噂や不倫騒動が巻き起こり、この番組を原因に別れた夫婦やカップルも数しれず・・・。Strictrly Curse(ストリクトリーの呪い)なんて言われているほど、ゴシップも満載なんです。

2020年の勝者は?

さて、それでは上の動画をご覧下さい!

今年は、コメディアンのBill Bailey(ビル・ベイリー)とプロダンサー、Oti Mabuse(オッティー・マブッセ)のペアが見事グリッターボール(ミラーボール)のトロフィーを勝ち取りました。

55歳の優勝者はストリクトリー史上最年長です!

お世辞にもスリムとは言えない見た目にも関わらず、キレのあるダンスにお茶の間の老若男女が「オッ!」と一目置きました。

The Guardian紙のオンライン版によると、ビルがトロフィーを掲げたその瞬間、1320万ものイギリス国民がテレビを見ていたんだそうな。

これ、凄いですよね、だってイギリスの人口6700万くらいですから5人に1人くらい。視聴率の計算方法はよく分かりませんが、今年の日本で言ったら半沢直樹の社会現象くらいな感じ?

ビル・ベイリーとオッティー・マブッセ!

それでは、今年の優勝ペアをご紹介します!

中高年の星!☆ビル・ベイリー(Bill Bailey)

コメディアンであり、俳優、ミュージシャンでもあるビルですが、なかなか話し方に落ち着きと品がある・・・。

調べてみると、お父さんは外科医で、イングランド南西部の都市、バースのプライベートスクール出身のお坊ちゃんなんですね。

テレビのコメディ番組、Black Booksでも冴えない風貌のおとぼけ役にも関わらず、ネタで披露したピアノが凄すぎて驚きました。ピアノだけでなくギターやドラム・・・教会のパイプオルガンまで(笑)、いろんな楽器を演奏できるようです。凄い!

音楽のジャンルも、ロック、ジャズ、クラシック・・・と、なんでも来い。

どうやら、ロイヤルファミリーもファンのようです。笑

↓↓英語でちょっと長いんですが、4分50秒のところで、チャールズさん爆笑してます。カミラさんとハリーも笑ってますね~!

オッティー・マブッセ(Oti Mabuse)

南アフリカ出身のプロフェッショナルダンサー。

ラテンダンスで南アフリカのチャンピオン、のちに拠点を移したドイツでもチャンピオンに輝いています。

なんといっても超抜群のスタイル

スーパーボンッ!キュッ!ボンッ!手足も長くて、踊ると迫力があってカッコいい!

毎年ペアになったセレブと楽しそう笑っている練習風景が印象的で、私の大好きなダンサーの1人です。

そして彼女、なんと昨年も優勝しているんです。2年連続優勝は、ストリクトリー史上初

ダンスブーム到来?ビル・ベイリー効果!?

The Guardian紙のオンライン版に、ダンス教室経営者たちのコメントが出ており、イギリス国内の中高年の間で、ダンス人気が急上昇しているとのこと。

ちょうどクリスマスの1週間前、19日にビルが優勝すると、イギリスのダンス教室で初心者クラスの新規申込みが増え、旦那さんへのクリスマスプレゼントにダンスのレッスンチケットを贈った奥さんも多かったそうです。

オッティの振り付けによって、メタリカ(ヘビメタ)の”Enter Sandman”でタンゴ、シュガー・ヒル・ギャング(ヒップホップ)の”Rappers Dilight”でストリートダンス・・・と、「社交ダンス」の枠を超え、「おっさんでもカッコよく踊れるんだ!」と、ビル世代の男性のハートをガッチリつかんだようです。

コロナで食べてばかり、家に籠もって鬱気味な人も、音楽にノリノリで体を動かせば、きっと気分も晴れるし、体重も減る!

素晴らしいではないですか!

おわりに

今年はコロナの影響で、世界中が沈んだ雰囲気のクリスマスでした。

イギリスでは、本来、強化されていた規制をクリスマス期間だけ緩和し、3世帯までの親戚が家の中で集まれる予定でした。

ところが、変異したウイルスのせいもあり12月中旬に感染者が急上昇。このまま、クリスマスに老人を含めた家族が集まると、悲惨なことになってしまう・・・と、ストリクトリー・ファイナルが放送されるちょうど1時間前に、イギリス首相、ボリス・ジョンソンによる演説があり、クリスマス特例の中止と、規制のさらなる強化を発表しました。

1年で最大のイベント、クリスマス。自宅待機という規制強化で、イギリス国民がどれだけがっかりしたのかは、計り知れません。

コーンウォール公爵夫人(チャールズ皇太子夫人)のカミラさんも、カメオ出演で、「国民の気分を引き上げてくれてありがとう。」と番組に対する感謝を述べています。

文化相のオリバー・ドウデンは、「つらく大変な時にも、国民の気持ちを引き上げることができる、テレビがもっている特有の役割を、改めて思い知った。」とツイッターで言っています。

ただの一移民にすぎない私からも・・・「キラキラの夢の世界と楽しい時間をありがとう!!」

完全にストリクトリー・ロスの私は、今でも気分が下がるとYouTubeでお気に入りのダンスを観たりしています。

それでは、次回②は、今年のファイナリストについて書こうと思います!

 

参照:The Guardian  Strictly Come Dancing final watched by more than 13 million viewers

Dance schools expect to see Bill Bailey effect with rush of midlife men

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