レストランレビュー

ヴィジャイ【Vijay】イギリス初の南インド料理レストラン

この度ロンドン在住のカレー好き日本人でロンドンカレー部を結成しました。

記念すべき第一回目に私たちが訪れたのは、イギリス初の南インド料理レストラン、ヴィジャイ【Vijay】です。

お店のHPによると、ハリソン・フォードカイリー・ミノーグダイアナ・ロスなどといった超大物セレブが訪れているとのこと。

観光客はまず訪れないような移民街、キルバーンの奥地にあるこちらのお店・・・。

見た目セレブが来るようなお店には見えない・・・。

そんな疑問を胸にカレー好きな5名でいろいろ食べてきました!

創業1964年!イギリスで初めての南インド料理

今となってはロンドンでも大人気の南インド料理

1964年の創業当時は、イギリスには他に南インド料理を食べられるお店は無かったとのこと。

街角のカジュアルなインド料理レストランが乱立したのは1970年代以降なのでそれよりも前ですね。

過去記事「ブリックレーンのカレーのお味は?」でも触れましたが、イギリスの8割のカレーハウスはベンガル・バングラデシュ系とも言われており、そのバングラデシュ移民が押し寄せるのは70年代以降。

イギリスのインド料理店は、1960年代に300店ほど70年代には約1200店、そして80年代には3000店ほどにも膨れ上がります。

1964年にすでに唯一の南インド料理のレストランとしてオープンし、コロナ禍のみならず60年もの間生き残ってきたというのですから只者ではありません。

メニューは全部南インド料理?

さて、メニューを見て気づくのが、カジュアルなカレーハウスによくある品数の多さ。

全て南インド料理と書いてあるけれど、北インドっぽいバターチキンとかコルマとかもあるし??と思い聞いてみると・・・

南インド固有の料理以外でもスパイス使いが南インド風なのだそう。

興味深い・・・。

とは思いつつ、今回はせっかくなので南インドらしいものを頼んでみました。

軽食メニューも充実

まずは前菜にはこちら。

「南インド風ピザ」とか「南インドのお好み焼き」・・・などとも言われているウッタパム

ウリド豆と米の粉を発酵させて作る生地は酸味がしっかり。

発酵による酸味のお陰で塩分控えめでも美味しくとってもヘルシー。

そして南インドの朝食の定番、ドーサもひと皿オーダー。

スパイスで味付けしたマッシュポテトが挟んであるマサラドーサ

サンバルとココナツチャツネが一緒に付きます。

5人いるので5つに切ってくれるってとっても気が利いてる!

こちらも先ほどのウッタパムと同じ生地で、米粉とウリド豆の粉を発酵させて作ります。

同じ生地でも薄ーくパリッと焼いてあるので、食感が全く違い面白い。

他にも南インドの朝食としておなじみのイドゥリなど、軽食メニュー豊富で1人で軽くご飯を食べたいときなんかにもおすすめです。

メインのカレーとビリヤニ

メインにはとりあえず4品オーダー。

カレーは2種類。

インド亜大陸の最南端の西側、ケーララ州は海の幸に恵まれたシーフードカレーが魅力。

プロ―ンカレーは南インドスタイルのココナツミルクの甘みもまろやかなカレー。

エビもたくさん!

そして2つ目のカレーはケーラランフィッシュカレー

こちらはウェイターさんのおすすめ、お店のシグニチャーとのこと。

先ほどのエビのカレーと色は同じですが味はガラッと違って酸味が効いています。

マナガツオの大きな切り身がゴロンと入っているのですが、骨が多いです。

更にケーララン・ラム・フライ

フライと言っても揚げてあるわけではなく汁気のないカレーのようなイメージ。

ひと口目、マイルド・・・と思いきや、後からじんわり来るなかなか刺激的な辛さ。

凝縮された複雑なスパイスの風味とライムの酸味で羊肉の独特の臭いを打ち消しつつ旨味はしっかり感じられるパワフルな一品。

じっくり調理され柔らかくほぐれるラムと食欲をそそる刺激的な辛さで、今回のメンバーで1番人気でした!

そしてご飯類。

チキンビリヤニと、一緒に付いてくる野菜カレー、そしてピラウライス

濃い目の味付けで単品でも食べ応えのあるチキンビリヤニですが、サンバルとは違った野菜のカレーが一緒に付きます。

レモンライスやココナツライスなど何種類かあるご飯ですが、頼んだカレー全部とオールマイティーに合うのはピラウライスとのことで、ピラウライスをオーダー。

かなりの量です。

付け合わせにはキャベツと人参のトーレン

ココナツやカレーリーフ、マスタードシードが香る野菜の炒め物。

そのままでもカレーと一緒にでもパクパク食べられる優しいお味。

とりあえずオーダーして足りなかったら追加するつもりが、5人でシェアして既に皆お腹いっぱい!

飲み物別でこれだけ食べても£15ほど・・・とコスパ抜群!

人気の秘密は素敵なサービス!

今回訪れたのは平日火曜の夜で、場所もセンターから外れたZone2、地下鉄の駅からも離れた若干不便な場所にあります。     

正直私たちで貸し切りかな?と思っていましたが・・・。

夜8時過ぎにはほぼ満席!

実際に行ってみて感じたのはお店の人の素敵なサービス

今回5人とも初めて会うメンバーで、事前にお酒を飲む人かどうかも分からなかったんですが、前日に電話して聞いてみると、パブのように飲み物別会計を頼んでも快くOKしてくれました。

お店の奥左側にビールサーバーのある小さなバーカウンターがあるのですが、飲みたい人は各自、都度払いでアルコールなどオーダーさせてもらいました。

割り勘だとお酒を飲まない人にはフェアじゃないし飲む人も遠慮しがちだけど、人を気にせず好きなだけ飲みたいんですよね!

お店の人も皆ニコニコ感じよく、メニューやお店について質問しても嫌な顔せず明るく答えてくれ居心地が良い

シェフやウェイターさんもほぼ南インド出身の人で(ムンバイ出身の方もいましたが)南インド料理に誇りを持ってサーブしているのを感じました。

センターにあるオシャレでトレンディ―な南インド料理のお店と違い、お客さんもリラックスしたご近所の常連さんが多い印象。

セレブが訪れたのは、おそらく南インド料理が珍しかった当時の事だと思われますが、60年もの間生き延び、今もなお地元ローカルに愛され続けている秘密は、飾らず真面目な南インド料理と明るく真摯なお店の人にあるのではないかな?

・・・と感じたロンドンカレー部、第1回カレー会の夜でした。

 

訪問日:2024年5月14日

基本情報

お店の基本情報です。

メニューの内容は定期的に変わります。

営業時間にも変動がありますので、お店のHP要確認。

・ E-mail info@vijayindiarestaurant.co.uk

・ 店舗ウェブサイト http://www.vijayrestaurant.co.uk

電話番号 +44(0)2073281087
営業時間 ランチ 12:00 - 14:45
ディナー 18:00 - 22:45 (金・土曜のみ23:45まで)
定休日 無し
住所 49 Willesden Ln, London NW6 7RF
アクセス 地下鉄Queen's Park駅から徒歩13分、地下鉄Kilburn駅から徒歩14分

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