今回はロンドンに7店あるミシュラン星付きシリーズ、最終回。
メリルボーンのトリシュナ【Trishna】を紹介します。
インド料理好きのみならず、ファインダイニングやワイン好きな人たちにもファンが多いこちらのお店。
それもそのはず、人気のレストランを多数プロデュースし、今やロンドンのレストラン業界を牽引するJKSレストランクループのうちのひとつであり、しかもそのグループの原点となるのが今回紹介するトリシュナ【Trishna】なんです。
JKSレストランって?
(画像出典:Evening Standard 「The Sethi siblings on their growing London restaurant empire」)
インド料理だけでも、今回紹介する家族経営で始めたトリシュナ【Trishna】でミシュラン一つ星、ジムカーナ【Gymkhana】で2つ星、ブリガディアーズ【Brigadiers】もミシュラン・ガイドに掲載されている人気店で、南インド・スリランカ料理のホッパーズはビブグルマン。
他にもミシュラン2スターのKitchen Table、1つ星スパニッシュのSabour、モダンブリティッシュのLyle's、ビブグルマンのペルシャ(イラン)料理Berenjak、トレンディーな台湾料理のBAOなどなど、今話題のレストラン、あれもこれもがグループ系列店でロンドナーの心をガッチリ掴んでいる模様。
家族経営・・・だけどみんな超プロフェッショナル
家族経営のこちらのレストラングループはの名前の由来は、経営陣であるインド系2世イギリス人の三兄妹の名前の頭文字を取ってJKS。
CEOの長男の Jyotin(ジョティン)さんは、私立校からケンブリッジに進み、英金融大手バークレイズの投資部門にいた元バンカーでビジネスのプロ。
次男 Karam(カラム)さんはミシュランスターシェフで、もちろん料理担当。
末の妹 Sunaina(スナイナ)さんは、人事のプロであり、ワインの世界的な資格WSETでディプロマ取得したソムリエ。
更に兄妹のお父さんはデリー出身の公認会計士、スナイナさんの旦那さんはケンブリッジ卒の弁護士でシェフのカラン・ゴカニ(Karan Gokani)さん。
ちなみに、ムンバイ出身のカランさんが、ホッパーズのマネージメントを任されています。
素人の家族経営ではなく、料理から経営、人事まで全て本物のプロな訳で、ロンドンの飲食業界でヒットを飛ばし続けるのも頷けます。
全てはここから始まった!ヒットメーカーの原点
そんなJKS Restaurantsですが、すべては今回のレストラン、トリシュナ【Trishna】から始まります。
次男のカラムさんは料理の学校出身ではなく、デリーのBukharaとロンドンのZumaで勤務するも、基本的にはお母さんの元で料理を学んだのだそう。
そして若干23歳にしてムンバイにあるシーフードのインド料理レストラン、Trishnaとブランド契約を結びます。
フランチャイズや暖簾分けではなく、時に同じメニューを共有することはあってもあくまで経営は別。
南西インド海岸のシーフードがメインとなるインド料理というコンセプトはそのままに、ロンドンではロンドンの独立したレストランとのこと。
現在はクリエイティブ・ディレクターとして、トリシュナ、ジムカーナを含むJKSレストラングループの料理、ドリンクの監修をしているのだそう。
南西インドのシーフードを中心とした本格的インド料理
それではいよいよ実食。
今回は3人で3コースランチメニューをシェアしました。
しっかりした味付けの本格的インド料理
突き出しにパパダムとチャツネ。
左からマンゴー、ミントコリアンダー、エビとトマトのチャツネ。
そしてひと皿目はこちら。
Nandu Varuval マサラフライドソフトシェルクラブ、ホワイトクラブチャツネ、トマトチャツネ添え。
こちらはシェアするのが難しいということもあり、3人とも(!)同じものをチョイス。
スパイスとカニ味噌の競演・・・たまりません。
チャツネがピリッと辛く食欲をそそります。
そして2コース目。
Shahi Salmon Tikka (シャヒサーモンティッカ)
ココナツとカレーリーフの南インド風サーモンの切り身は外側はこんがりカリッと、中はレアな絶妙な日入れ具合。
パパイヤとサンファイアの付け合わせとディルチャツネもモダンでおしゃれ。
そしてベジタリアンオプションのJackfruits Pepper Fry(ジャックフルーツのパラタ)。
ちょっと酸味があり白身魚やチキンのような軽めの食感。
さらにMaraber Porotta and Beef Fly(ビーフのドライカレーとパラタ)
南インド風のビーフのドライカレーは柔らかくマイルドな辛さ。
Wild Mushroom Pilau(ワイルドマッシュルームピラウ)には黒トリュフのスライスも。
Cashew and Pepper Chicken(カシュ―ナッツとチキンのカレー/写真真ん中)
Prawn Manga Curry(エビのマンゴーカレー/写真手前左)
すべてのランチコースには、バスマティライス、ナーンやロティ―などブレッドバスケット、
そしてシナモンやクローブの香り豊かなポテトロースト、ココナッツの野菜炒めが一緒についています。
ワイン好きの方にとってもおすすめ
ロンドンのミシュラン星付きインド料理のお店といえば、ちゃんとソムリエがいてワインリストも充実しているのは当たり前。
その中でもこちらのお店は、メニューを見るとワイン好きはワクワクすること間違いなしです!
アラカルトメニューは全てワインとペアリング可能
テイスティングメニューのコースにワインペアリングを追加できる・・・というのは高級店ならどこもやっているのですが、トリシュナではアラカルトメニューの全てのスターター、メインにペアリングワインが併せて記載されており、それをグラスで楽しめてしまう!
今回はギリシャの赤をセレクト。
ギリシャの土着品種のブレンドでエレガントで嫌みのない感じ。
クセの強いインド料理にも意外と合うのが面白い。
グラスワインの赤白だけでも6種類ずつから選べて楽しい。
ギリシャやポルトガル、オーストリア・・・など幅広い産地から、トリシュナのインド料理にあうワインを探し出してきたこだわりが伝わってきます。
125ml、250ml、375mlと選べるのですが、グラス小、グラス大、デキャンタ(ハーフボトル)かと思いきや、こちらのお店では250mlもグラスではなくデキャンタで提供。
ランチタイムにちょっとだけ飲みたい時や、お料理に合わせていろんなワインを少しずつ楽しみたい時にも、デキャンタならシェア出来て嬉しいですよね。
おまけ・バーステートリート
おなかいっぱいでデザートはスキップ。
・・・しかし、訪問したのがお誕生月だったので、予約時に伝えるとサプライズデザートがありました。
マンゴーのムースはマンゴーたっぷり贅沢なお味。
気取らず品よくモダンなインド料理
星付きの高級インド料理ではあるけれど、仰々しいテーブルセッティングではなく、それが逆にモダンな印象。
地上階バーカウンター横はゆったり半個室エリアもあり、階段を降りて地下にはワインセラーのある個室も。
コロニアルなポストカードやポスターなどが飾られた階段もヴィンテージ風な落ち着いた雰囲気です。
プライベートルームの写真は撮れなかったのですが、お店のHPのこちらからバーチャルツアーで見ることができます。
星付きだけあり、なかなかのお値段ですが、本格的なお味はもちろん、ワインと一緒に楽しめるのが素晴らしい。
しばらくリニューアルのため閉店していましたが、間もなく営業再開!
新しくなったトリシュナにも行かなくては!
訪問日:2024年6月27日
基本情報
お店の基本情報です。
メニューの内容は定期的に変わります。
営業時間にも変動がありますので、お店のHP要確認。
・ E-mail hello@kricket.co.uk
・ 店舗ウェブサイト http://trishnalondon.com/
電話番号 | +44(0)2079355624 |
営業時間 | ランチ:月・火ディナーのみ 水~日は12:00 - 14:30 |
ディナー:17:00 - 22:15 ( 日のみ - 21:45 ) | |
定休日 | |
住所 | 15-17 Blandford St, London W1U 3DG |
アクセス | 地下鉄〇〇から徒歩〇分、○○駅から徒歩〇分 |