今回は、私がイギリスでインド料理にハマるきっかけとなったお店、モウグリ・ストリートフード【Mowgli Street Food】を紹介します。
初めてモウグリで食べたのは、ロンドンではなく、友人の結婚式で滞在したイギリス中部の町、ノッティンガムでした。
キラキラした可愛らしいインド料理のお店を見つけて、当時2歳の子供を夫にホテルで見てもらい、サクッと30分、おひとり様で食べてきました。
ロンドンに戻りまた行きたいと思い調べてみると、なぜか無いんです・・・首都ロンドンに。
リバプール発、女性弁護士が脱サラ(?)して始め、イギリス各地に10店舗以上展開しつつも、ロンドンには無かったモウグリが、2021年末コロナ禍終盤、ついにロンドンに進出!
友人と2人でランチに行ってきました。
キラキラかわいい店内、ロマンチックなブランコ席も
ノッティンガムのお店もキラキラで可愛らしく目を引きましたが、ロンドンも店内に一歩入ると、文字通りキラキラ!
友人と二人で、窓際のブランコ席に!w
女性同士でも気分がグッと上がりましたが、夜なら更にキラキラが映えてロマンティックな雰囲気になりそう。
女性オーナーらしい可愛らしい店内ですが、食べられるのはカジュアルなインドのストリートフードや家庭料理など。
カオスなインドの道端で食べるストリートフードをオシャレカフェ風に。
ストリートフードと絶品家庭料理
インドのストリートフードは、イギリスで今とても人気があります。
2014年にオープンしたモウグリの1号店、リバプールでは、ヨーグルトチャットボム(ダヒプリ)のツイッターアカウントやファンクラブまで出来るほど、カルト的な人気だったそうです。
メニューのストリートチャット(スナック・軽食)からはこちら、ヨーグルトチャットボム(ダヒプリ)。
ダヒはヨーグルト、プリは膨らんだ揚げパンのことで、ここでは小型のパリっとしたシェル(殻)状のスナック。
刻んだ赤玉ねぎやひよこ豆などが入っていて、ヨーグルトを上からたっぷりかけてある物もありますが、こちらのダヒプリはシェルの中にきれいに収まっているので、見た目も可愛く、指でつまんでパクッと食べられます。
食感もパリットロッ・・・そしてサクサク。
このちっちゃなひと口サイズのシェルの中に、甘くて酸っぱくてスパイシーで・・・いろんな味と食感が詰まってる・・・まさに、カワイイ味覚爆弾。
ひと口、一瞬でこんなに面白い食体験もなかなか無いかも。
本場インドでは、衛生面から日本人旅行者にはなかなかハードルの高いストリートフードですが、ロンドンではそこは安心。
私たちは2人で行ったので、2個づつ食べて、最後の1つはお互い遠慮しつつ、暫くたってから食べたのですが、シェルがフニャフニャになって、美味しさ半減。
ストリートミートからは、Maa's ラムチョップ&ターメリックチップス。
こちらは、オーナーシェフであるニーシャ・カトナ(Nisha Katona)さんのお母さんお得意のパーティー料理。
焼き目もしっかり、香ばしく焼いたラムと、ターメリックとフェヌグリーク風味のチップス(フライドポテト)。
家庭料理なので、ラムはタンドールではなくグリルで調理しています。
ブラックカルダモンライスとハウスチキンカレー。
このバスマティーライスも衝撃でした。
ハウスチキンカレーも、感動の美味しさ。
これ、レシピを見て自分で作ろうとすると結構材料が多いので面倒くさいのですが、それだけのことはあります。
家でももう何十回も作り、友人とのカレー会でも作り、皆にレシピを聞かれます。
ニーシャさんの実家のディナーパーティーの定番だったそうです。
ハウスラムカレーは、ニーシャさんのお父さんのラムカレーレシピにプラムのとアニスシードをプラス。リッチで深みのある味わい。
ご両親とも忙しく働く医師でありながら、自分のこだわりレシピをしっかり持っていたところは、娘のニーシャさんの料理への情熱に通ずるものを感じます。
そしてドリンクは、ローズカルダモンラッシー。
ローズラッシーは、香料の入ったピンクのローズシロップを使っているお店も多いのですが、こちらはローズウォーターの自然な香りに、隠し味のザクロで自然なピンク色。
カルダモンの香りとカラフルなパーンマサラで見た目も味もとってもオシャレで美味しい。
元法廷弁護士の女性オーナーシェフ
オーナーシェフで実業家のニーシャ・カトナ(Nisha Katona)さんは、児童保護を専門とする法廷弁護士として20年のキャリアを持つ才女。
法廷弁護士とは?
扱うケースにもよりますが、弁護士の中でもバリスターはひと握りのエリート。
資金繰りも自分でやっちゃうスーパーママ
8年前の今日、ビジネスの知識もお手本となるロールモデルもなく、本物のインドのストリートフードへの情熱だけでモウグリを設立。マーケティングもPRも無い、地方都市リバプール生まれの夢は、いまやイギリス全国区に。私にも出来るなら、あなたにも出来る。本当かどうか訝しがる夢想家は、立ち上がってハンマーを手に実際に行動しよう!
8 years ago today I started Mowgli with no business knowledge,no role models but a passion for authentic street food.That Liverpool born dream with no marketing or PR is now national. If I can do it so can you.Dreamers amongst you who doubt,arise,take up your hammer and build!💪🏾 pic.twitter.com/iH7IV1F2Dv
— Nisha Katona (@NishaKatona) June 17, 2022
大学を出て弁護士として20年働いていたという事は、40代で起業したということ・・・。
弁護士としてバリバリ稼いでためた貯金をはたいて、リバプールの1号店を始めたそうな。
お子さんも2人いるそうなので、働きながら子育てしつつ、夢をかなえたスーパーママ!
因みに、ニーシャさん自身はイギリス生まれで、医師のご両親が60年代にインド(ベンガル地方)から移住。
シェフの世界は今でも男社会で、女性には難関もたくさん。
コネも無く、移民2世のマイノリティー、女性・・・そんなハンデも物ともせず、自分の道を切り開く姿に感服です。
YouTube、テレビ、書籍・・・PRだっておまかせ
ニーシャさんは、ご自身のYouTubeチャンネルも開設していたり、書籍の出版、テレビなどメディアにも出演したりと、PR活動まで自分でやっています。
疑問→仮説→検証、法廷弁護士流、論理的なスパイスとインド料理論
友人スティーブの疑問:「なぜインドのアルゴビ(じゃがいもとカリフラワーのドライカレー)は、イギリスのアルゴビより断然美味しいのか?」に答えるため、実験的に検証している回⇩
仮説:イギリスのスーパーで買う鮮度が保たれたカリフラワーと比べ、インドでは酷暑のマーケットで消費者の手に渡るまでに、水分が抜けて萎びる。その分塩分や糖分、風味が凝縮されているから美味しいのでは?
検証:新鮮なカリフラワーと萎びたカリフラワーの2種類でアルゴビを作り、どちらが美味しいのか実際に比べてみる。
知恵袋ママに疑問をぶつけまくって知識をしっかり引き継ぐ
茄子のカレーを作る回では、愛の溢れる母娘共演。
ベンガル地方出身のお母さんに、ビシバシ疑問をぶつけて知恵を引き出し、分かりやすく解説。
さすが元弁護士だけあって、頭が良いということは間違いない。
ロンドン進出にあたってのPR活動の一環か、現在はBBCの番組、Great British Menuのレギュラー審査員など、今まで以上にテレビでも大活躍。
知恵の詰まったレシピ本も
私自身、彼女のレシピ本を愛読・愛用しているのですが、カオスなスパイスワールドを論理的に整理する頭の良さがとても印象的。
⇧ 食材によるスパイスの使い方が、シンプルな樹形図で理解できる素晴らしい本。
⇧ レストランのレシピ本は鬼リピでお世話になってます。
⇧ 新刊は30分でできる家庭料理。
イギリスでカレー沼に引き込まれるきっかけになったお店
私事なんですが、元々インドカレー大好きで、仕事であっちこっち飛び回ってカレー屋さんに食べに行き、東京では時々自宅でカレーパーティーをしていたのですが、2010年にイギリスに移住してからは、すっかりワインにハマってしまい、ソムリエ資格を取得。
しばらくインドカレーから遠ざかっていました。
その後結婚して、妊娠、出産、子育てを経て、外食はすっかりご無沙汰だったのですが、たまたま旅先で通りがかって見つけたこのお店で、ガツンとやられました。
こんな予期せぬ所で・・・しかも星付き高級店などではなく、カジュアルなのにこの美味しさ!カワイさ!?
とってもおススメ、大好きなお店です。
訪問日:2021年12月17日
基本情報
お店の基本情報です。
メニューの内容は定期的に変わります。
営業時間にも変動がありますので、お店のHP要確認。
・ E-mail generalenquiries@mowglistreetfood.com
・ ウェブサイト https://www.mowglistreetfood.com/
電話番号 | +44(0)20 37781705 |
営業時間 | 12:00 - 22:00(日曜のみ21:30まで) |
定休日 | 無し(クリスマスなどの休日は要確認) |
住所 | 5 Charlotte St., London W1T 1RE |
アクセス | 地下鉄グッジストリート駅から徒歩5分、トッテナムコートロード駅から徒歩5分 |