レストランレビュー

クリケット【Kricket】パリやNYが羨ましがる?イギリス人シェフによるクールなインド料理

イギリスのインド料理がとても面白いんです。

若者も気軽に入れるカジュアルさで、ビールやカクテルを飲みながら、デートにも使えるオシャレなインド料理・・・。

オジサンっぽい雰囲気の街角のカレーハウスと、ちょっと敷居の高いミシュランスター高級店の中間くらいのレストランがいっぱい。

今回は、そんなとってもロンドンっぽいインド料理レストランのうちのひとつ、クリケットを紹介します。

シェフはイギリス人

このレストランとの出会いは、オーナーシェフ、ウィル・ボウルビーの料理本でした。

ロックダウン中に外食できなくなったので、ちょっとでも外食気分を味わおうと買ってみたレシピブック。

その本の中表紙に、ミシェル・ルー・ジュニアというミシュラン2つ星シェフのコメント

"Kricket is 100 times better than you would expect...places like this are the reason why London is the envy of Paris and New York ー Michel Roux Jr."
「クリケットはあなたが思う100倍良いところ・・・パリやNYがロンドンを羨ましがるのはこんな場所があるから」

・・・とあり、大絶賛

いやいや、パリとニューヨークが羨ましがるって・・・と興味を持ちました。

インド人やインド系移民が多いイギリスで、イギリス人シェフのインド料理というのも異色のお店。

3店舗展開しており、ブリクストン店はコロナ禍直後に訪れたのですが、最近ソーホー店にも行ってとっても美味しかったので追加編集します。

まずはコロナ明け間もない頃に友人と行ったブリクストン店!

ブリクストン店

元々カリブからのの黒人移民が多く治安の悪いイメージもありますが、今は多種多様な移民が住む活気のある街、ブリクストン。

生活感あふれる街並みですが、アーケードになったマーケット、ブリクストン・ヴィレッジを中心に素敵な雑貨屋さんやセレクトショップ、ワインバーなどオシャレなお店もたくさんあります。

シェアして食べたい小皿料理いろいろ

そんなブリクストンの街を散歩しつつマーケットの出口すぐにある高架下にあるこちらのお店でランチ。

レシピ本に出ていた人気メニューをオーダーしてみました。

早速ひと品目はこちら。

ケーララン・フライドチキン 大根のピクルスとカレーリーフマヨネーズ添え

オープン当初は仮設のポップアップレストランだったKricket

キッチンも狭く最小限の設備で始めたため、インド料理には欠かせないタンドールが無い・・・

やむなくディープフライヤーで揚げたケーララ風フライドチキンが大ヒットしたのだそう。

タンドリーチキン風にヨーグルトやスパイスでマリネされたチキンはジューシーで、衣のカリッとした食感とともにスパイスの香りがふわり。

カレーリーフ香るマヨネースにディップして食べると、ビールが進みます。

常設店舗を構えタンドール窯を導入後も変わらず人気メニューなのだそう。

そして一緒に頼んだベルプリ

ベル(ライスパフ/ポン菓子)を使った軽食ベルプリも、玉ねぎやグーリーンマンゴーをあわせ、ヨーグルトとタマリンド&デーツチャツネ、コリアンダーチャツネをトッピング。

サクサク食感と甘味、酸味、スパイスの辛さが楽しい。

バーントガーリック・タルカダル

タルカとはテンパリングのことで、スパイスなどを炒めて香りを抽出した油を調理の最後に加える工程のこと。

焦がしニンニクの香ばしいホッとする味の豆カレーも美味しい。

メインはエイヒレのシンディー(パキスタンのSindhi風)バターソース

日本ではエイヒレと言えば乾燥させたおつまみですが、イギリスでは生の切り身をスーパーでも時々見かけます。

パキスタンのシンド州風のソースは、北インドにも通ずるこってりバター系ソース。

普段はおひとり様でカレー巡りしているのですが、今回は友人と一緒で良かったです。

なぜならフライドチキンを1人で頼んだら、それだけでお腹いっぱいになっちゃうボリューム。

ベルプリにしても、前菜としてシェアしたい量だし、他のメニューにも揚げ物が多く重め

セットメニューが無いので、数人でビール飲みながらシェアしたいところ。

オシャレなんだけどくつろげる雰囲気

シックな店内。店員さんもオシャレ。

お店の人は付かず離れずの距離感がちょうど良く、質問すればていねいに答えてくれるし、とても感じが良い。

オーダーする時に、本当はもう一品、サンファイアパコラを頼みたかったのだけれど、量も多いから2人だと食べ切れないかもしれないよ、との良心的なアドバイス

実際フライドチキンとベルプリがどちらも揚げ物だったので、サンファイアパコラは頼まなくて良かったです。

エイヒレも骨を取ろうか?と聞いてくれたり、とても親切。

コロナ後の平日ランチで空いていたせいもありますが、お手洗いに立った時に隣のアーチをチラ見すると、小さな子連れファミリーがゆったり食事していました。

そんな機転が利いたサービスで、くつろげる雰囲気なのも良かったです。

ソーホー店

ピカデリーサーカスから歩いて1,2分のところにあるこちらのお店は、ミシュランガイドのビブグルマンにも選ばれている人気店。

ムーランルージュのシアターの並びにあり、観劇やショッピング前後に便利。

ランチタイムに予約無しで一人で行ってみました。

おひとり様にも良い感じ

こちらの店舗はカウンターのオープンキッチンになっており、1人で行くとカウンターの他のお客さんの隙間に入る感じですぐに入れました。。

タンドール窯で調理したり、盛り付けたりするのを見るのもとても楽しい。

反対側の壁際にはテーブル席もあり、さらに地下にも大きなテーブルがあったりと意外に広い。

前回のブリクストン店では小皿料理でシェアして食べる感じだったので、今回はあらかじめメニューとにらめっこして頼むものは決めていました。

前菜にはウィンタートマトラッサムのパニプリ

最近すっかりおなじみのパニプリですが、ミントやタマリンド水ではなく、冷たいラッサムが入っています。

ひと口でパクっと食べるといつものパニプリとは違う旨味が新鮮!

冷たいラッサムにフレッシュなトマトの酸味がばっちりマッチ。

今まで食べたパニプリで1番好きかも!

そして、セップ(ポルチーニ茸)のパオバジ

ベジタリアンメニューの軽食ですが食べ応え満点。

ポルチーニの香りがかなり効いているバターが後乗せになっているため、カレーのスパイスに負けずにポルチーニの風味をしっかり楽しめる。

フワフワのバンズは半分に切ってありカリッと焼いてあって、カレーをはさんで食べるとパクパク食べられるんですが、これ意外と満足感があり。

デザートはいいかな・・・と思っていたのですが、パニプリもパオバジも美味しすぎたので期待を込めてオーダーしたのがこちら。

バパ・ドイ、ローストグレープとヴェルジュ

西インドはベンガル地方のスイーツで、バパは「蒸す」とか「焼く」という意味でドイはヨーグルトのこと。

水切りヨーグルトのチーズケーキのようなデザート。

しかしこちらのお店ではローストして甘みの増したブドウと、ベルジュという酸味の強い未熟ブドウのジュース、軽くローストした香ばしいアーモンドやフレッシュミント、削ったチョコレートがトッピングされていて、めちゃくちゃオシャレな味とビジュアル!

何これ!美味しい!

前菜、メインで高まった期待を裏切らないデザートに満足!

なぜイギリス人シェフがインド料理?

クリケットのシェフであるイギリス人のウィルさんは、子供の頃から料理に興味があり、大学時代にケータリングのビジネスをはじめ、大学卒業後にはフレンチレストランで料理の基本を学びます。

そんな中、インドでヨーロッパ料理のシェフの仕事の誘いがあり、ムンバイで2年間働 くことに。

インドで暮らした2年間で、スパイスやインド各地の料理を学び、インド料理にすっかり魅了され、イギリスに帰国後はインディアン・ファインダイニングの有名店「シナモン・クラブ」で経験を積み、若干27歳にして独立しました。

ポップアップレストランからのスタート

まずは輸送用コンテナを積み重ねてショップやレストランにした、ポップ・ブリクストンの一角で、小さなレストランで営業を始めます。

オシャレな雑貨やレストランが人気のブリクストン・ヴィレッジを始め、ワインバーやコーヒーショップ、レコードショップなど、感度の高い店が雑多な街なかに点在するブリクストン。

そんなブリクストンでのポップアップレストランが、たちまち若者に人気になり、ミシェル・ルー・ジュニアを始めとした飲食業界の大物の目にも止まります。

貨物用コンテナを利用した簡易ショップや飲食店が集まる「POP BRIXTON」

現在は3店舗に拡大4店舗目も近日オープン

その後ロンドン中心部のソーホーと、ポップアップレストランの近くのブリクストンの高架下、西部ホワイトシティーにあるBBC(英国放送局)のテレビジョンセンター内、合わせて3店舗をオープン。

近々東ロンドンの金融街カナリーワーフにもオープンするそう。

イギリス人によるイギリス人好みのインド料理・・・トレンディーな Indian Inspired foodのレストランとして人気のこのお店。

雰囲気お料理ロンドンならでは!

確かにパリやNYにこんなカジュアルでクールなインド料理はないかも!

ソーホーのお店はミシュランのビブグルマン、ブリクストン店とホワイトシティー店もミシュランガイド常連店です。

ホワイトシティー店にも行ってみたいな!

訪問日:2021年9月24日、2023年11月11日

基本情報

お店の基本情報です。

メニューの内容は定期的に変わります。

営業時間にも変動がありますので、お店のHP要確認。

・ E-mail hello@kricket.co.uk

・ 店舗ウェブサイト https://kricket.co.uk/

【Brixton】 ブリクストン

ブリクストン店は高架下のアーチ2つ分

電話番号 +44(0)20 3826 4090
営業時間 ランチ&ディナー:金、土曜 12:00-翌1:00
ディナーのみ:月曜-木曜 17:00-22:30
定休日 日曜
住所 41-43 Atlantic Road Brixton London SW9 8JL
アクセス 地下鉄ブリクストン駅から徒歩4分

【SOHO】ソーホー

電話番号 +44(0)20 3019 8120
営業時間 ランチ:12:00-14:30
ディナー:17:00-22:30 日曜のみ12:00 - 21:00
定休日 無し
住所 12 Denman Street London W1D 7HH
アクセス 地下鉄ピカデリーサーカス駅から徒歩2分

【White City】ホワイトシティー

電話番号 +44(0)20 3958 2867
営業時間 ランチ&ディナー:火曜-土曜 12:00-22:00
定休日 日曜、月曜
住所 2 Television Centre 101 Wood Lane London W12 7FR
アクセス 地下鉄ホワイトシティーから徒歩1分、ウッドレーン駅から徒歩3分

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