レストランレビュー

ジコニ【Jikoni】カワイイがいっぱい詰まったケニア×インド料理と無国籍移民料理の店

ロンドン中心部のオシャレな高級エリア、メリルボーン。

ミシュラン星付きのインド料理レストラン、トリシュナ【Trishna】の隣にある、パウダーピンクのかわいいレストラン、ジコニ【Jikoni】

インド系ケニア/イギリス人女性オーナーの「誇り高く本物ではない」無国籍料理のお店。

「Inauthentic=本物じゃない、本格派じゃない」って堂々と宣言してるけど、どういうこと!?

国籍にとらわれない自由な発想の料理と、オーナーの「好き」「美味しい」「カワイイ」がいっぱい詰まったお店。

週末おひとり様ブランチで行ってきました。

すっかりファンになっちゃいました!

ケニア出身、ロンドン育ちのインド系オーナーが創る無国籍料理

ミシュランプレートとしてミシュランガイドでも常連さんのこのお店。

SNSを見てみると、可愛く映える画像がいっぱいで、オーナー自身もとっても可愛い・・・

 

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アラフォー40代でこの可愛さ、素敵。

「あぁ~、今どきのインフルエンサーのお店なのかな・・・。」と思ったら・・・。

いやいや、かなりの強者でした。

インターナショナルな生い立ち

オーナーのラヴィンダー・ボガル【Ravinder Bhogal】さんは、ケニアのナイロビでインド系の両親のもとに生まれ、7歳でイギリスに移住。

大英帝国時代の政策で、ウガンダ鉄道建設などのため、東アフリカにインド人が駆り出され、たくさんの労働者や商人などが移り住んだので、ケニアには大きなインド人コミュニティーがあります

両親もまた、インド人でありながらペルシア(イラン)系の血も引いており、もはや国籍について語ることに意味があるのか・・・というインターナショナルな家族。

イギリスで育ったラヴィンダーさんは、ジャーナリズムを専攻し、修士の学位も取得、美容関係のジャーナリスト・編集者として活躍していたのですが、スタイリストの友人に勧められてとある番組に応募したところ、見事選ばれて人生が一変します。

9,000人の女性料理家の中から選ばれる

彼女の人生の転機となったのが、三ツ星セレブシェフ、ゴードン・ラムジーのリアリティ番組「The F Word」2007年のシーズン3。

通常 F Word とは、罵りの汚い言葉のことですが、それをもじって Foodの F にあててるのね・・・。彼は口が悪い(恐い)ことで有名。(テレビの演出なのかもしれませんが・・・。) 

「次世代ファニー・クラドックを探せ」というエピソードで、9000人の女性料理人の中から選ばれたのが、ラヴィンダーさん

ファニー・クラドックは、戦後50年代から70年代にかけての料理評論家・テレビシェフで、ドレスやヒールで料理して暴言も吐いちゃうような、物凄く破天荒な人だったみたい・・・。

「20分で俺をアッと言わせるようなものを作れ」という、無茶ぶりにも落ち着いて応えるラヴィンダーさん。

確かに、他の2人はトスカーナ風やスペイン風チキンを作ったのに対して、ラヴィンダーさんのチキンはオリジナリティーがあったのかも!

この動画によると「お料理が出来ないと結婚できないよ!」と5歳の頃から言われて仕込まれてきたとのこと。w

この番組当時28歳の時は独身でしたが、その後、素敵な旦那さんを見つけてご結婚されています。

この番組を契機に、本業の美容関連だけでなく、フードコラムレシピ本執筆なども手掛け、ポップアップレストラン出店なども経て、自身のレストラン、ジコニのオープンに至ったそう。

元々ビューティー系のジャーナリストなだけあって、美意識も高い!インスタだってお手のものなのも頷ける。

新聞やテレビ、雑誌・・・いろんな媒体で彼女のコラムやレシピを見かけます。

彼女自身がジャーナリストであることもあり、ロンドンの独立系レストランで初めてカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を相殺させる)を実現させたり、女性や子供への家庭内暴力に対するチャリティー活動に取り組んだりと、社会問題にも積極的に関与し。様々なイベントを開催しているようです。

スパイスが要の無国籍料理、ケニアンインディアン料理も

さて、前置きが長くなりましたが、実食!

「Jikoni」とはケニアの公用語、スワヒリ語で「キッチン」の意味

無国籍とはいえ、オーナーシェフのルーツであるインドやケニア由来の料理も食べられます。

メインはインディアンケニアンで

セットメニューが無いので、アラカルトのブランチメニューから・・・。

まずは、ラヴィンダーさんの生まれ故郷の料理、インドとケニアのハイブリッド

ククパカ、スクマ・ウィキと、サフランライス。

「kuku」はスワヒリ語でチキンのこと。

東アフリカのインド人コミュニティー発祥のココナツカレーと、ケールに似た葉野菜で作るケニアのソウルフードスクマ・ウィキ、サフランライスと一緒に頂きます。

マイルド(ほとんど辛さを感じない)けれど、ちゃんとカレーの風味。

レシピを見てみると、基本のクミン、ターメリック、コリアンダー、カルダモン、クローブなどの他に、スターアニス(八角)、ナツメグなんかも使っている。

これは大人も子供も好きな味!

ジョージアの地元品種で作られたオレンジワイン(スキンコンタクト)と合わせてみたら、バッチリマッチ!

ドライだけれど、アプリコットやトロピカルフルーツ系の香りがあり、トロピカルなココナツ系のカレーによく合う。

デザート?・・・軽くもう一品

メニューを見ると、なんだかいろいろ食べたくなっちゃって・・・。

お店の人に量を訪ねると、「小食なの?」と・・・。

いえ、大食いです。w

ならば大丈夫とお墨付きを貰い、もう一品。

ピニャカラーダパンケーキ、キャラメライズドパイナップルとココナツアイスクリーム添え

ピニャカラーダは、ココナツミルクとパイナップルジュースで作るラムベースのカクテル。

ココナツミルクのパンケーキに、キャラメライズしてラム酒で香りづけしたパイナップル、ココナツとラムのアイスクリームをトッピング。

アイスクリームはジャガリー(未精製のサトウキビや椰子の赤糖)の色で少し茶色っぽく、自然な甘さで美味しい。

これも家で作りたい!

そしてデザート

パンケーキはデザート?

いや、ご飯なんじゃない??

もうどっちでもいい!気になるものを食べる!

人気メニューのバナナケーキ味噌バタースコッチソースと迷いましたが、今回は、チャイとセットになったマドレーヌに。

ケニアチャイとパーンマドレーヌ

よくカレー屋さんの入り口、お会計のところに置いてある、シュガーコーティングされたフェンネル・・・スィートフェンネルとか、ソーンフ(ヒンドゥー語でフェンネル)とも呼ばれている、カラフルなあれ。

 ⇐ こんなの。

消化促進や、マウスフレッシュナーとして食べるものですが、ここで言うパーンは、このスイートフェンネルベースのスパイスミックスのこと。

生の葉っぱにつつんであるパーンではないようです。

ちょっと写真では良く見えませんが、赤や緑の粒々が入っています。

見た目もなんだかカワイイし、フェンネルの香りがしてオシャレなマドレーヌ。

もう、全部まねしたい!

ケニアチャイは、ミルク後入れ。

これはラヴィンダーさんのオリジナルなのかもしれませんが、スパイスと一緒に煮だした紅茶に砂糖、ミルクを自分で入れるタイプでした。

好みで調節出来るし、ミルク無しのスパイスティーも新鮮。

他にも、いろんな面白いメニューが

残念ながら胃は1つしかありませんので、今回はこれでご馳走様でしたが、他にも食べてみたい物がいろいろありました。

バナナケーキ味噌バタースコッチソースをはじめ、キムチパラタ、海老トーストスコッチエッグ・・・本当に無国籍。

普段は、和食や日本食材を変てこりんにアレンジされるとイラっとくるけど、ラヴィンダーさんなら美味しくアレンジしてくれてそう。

店内も可愛くてで落ち着く空間

 

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アフリカやインドの布でできたクッションやテーブルクロスはみんな違うデザインでどれも可愛い。

それぞれカラフルだけどちょっとくすんだ色調で、全体的に落ち着いた雰囲気でなじんでいます。

 

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階段を降りるとキッチン。

東アジア系、アフリカ系、インド系、ヨーロッパ系・・・お店の人も見事に多国籍でした。

いろんな所にいろんな絵が飾ってあります。

 

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バーカウンターの席も。

今回おひとり様でしたが、お店の人も親切で、居心地が良くていっぱい食べて長居しちゃいました。

 

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「ロンドン18のロマンティックなレストラン」にも選ばれています。

リピします!そしてレシピ本も買っちゃいました!

いろいろ作ってみたい!

訪問日:2022年4月2日

基本情報

メニューの内容は定期的に変わります。

営業時間にも変動がありますので、お店のHP要確認。

・ E-mail contact@jikonilondon.com

・ 店舗ウェブサイト https://jikonilondon.com/

電話番号 +44(0)20 70341988
営業時間 水木金 ディナーのみ 17:00-22:00
土 ブランチ(11:00-15:00)、ディナー(17:30-22:00)
日 ブランチのみ 11:00-15:00
定休日 月曜、火曜
住所 19-21 Blandford St, London W1U 3DH
アクセス 地下鉄ボンドストリート駅から徒歩9分、ベイカーストリート駅駅から徒歩9分

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