レストランレビュー

ジャマヴァール【Jamavar】ミシュラン☆本場インドの高級レストランがロンドンで快進撃

https://whomefuwaku.com/curry

2016年にロンドン進出したジャマヴァール【Jamavar】は、元々インド国内各地にあるラグジュアリーホテル、The Leela Palace 内にあるインド料理のレストラン

開店後1年足らずでミシュラン1つ星獲得、瞬く間に成功したジャマヴァールでしたが、看板シェフの、ロヒット・ガイ(Rohit Ghai)が、2018年に自身の店、クティール【Kutir】をオープンして独立。

その後、ジャマヴァールは星を落としてしまいます

ロヒットさんが去った後にエグゼクティブシェフを務めたのは、インドのバンガロール、ジャマヴァールの1号店で創業当初からシェフをしていた、サレンダー・モハン(Surender Mohan)さん

本場インドでシェフとして既に名声を得ていた彼が、ロンドン店のピンチに駆けつけ渡英し、全く新しい環境で奮闘。

星を落としてしまった2019から3年後の2022年版ミシュランガイドで、ついに星を奪還しました

きっといろんな苦労があったんでしょうね…。

それでは、今回は友人と一緒に行ったので、2人分のランチコースで紹介します。

本格派・・・だけどロンドン版はビーフもポークもある!

まずメニューを見て驚くのは・・・あるんです、牛肉も豚肉も

ランチの客層を見た感じ、牛肉を食べないヒンドゥー教徒や、豚肉食を禁忌とするイスラム教徒も結構いる印象。

思い切った決断!

インドが本拠地のレストランで、バンガロール、チェンナイ、ゴア、ムンバイ、デリーにも店舗があり、更にはロンドンに続く海外2店舗目、カタールのドーハにもオープンしています。

カタールの元国王ロンドンにいる時には通っている模様。

現国王のお父さん、ロンドンでは意外とカジュアルないでたちなのね!?ポークをキッチンで扱っていても大丈夫なの・・・!?

宗教に関する質問はセンシティブなので・・・聞きたくてもなかなかお店に人に聞けず・・・。

他店舗のメニューも見てみましたが、ビーフやポークがあるのはロンドン店だけ。

キリスト教徒の多い都市、ゴア店のゴア料理カテゴリーの中ににさえ無いのに、ロンドンではランチコースの中にもポーク発見!

小皿料理が楽しい前菜

ミニサイズのスモールプレートが人気で、丁寧に調理されたインド各地の料理を少しづつ味見できるのが楽しい。

ランチコースでは、小皿料理の前菜が2つ、メインが1つの3コース。

デザートも£5で追加できます。

前菜1コース目

前菜で早速、ポークを頼んでみました。

Pan Seared Achaari Pork (ピクルス用スパイスを使った焼いたポーク)マサラパフとウズラの卵、ガーリックピクルス添え。

メニューを見て想像したのとは全然違うものが来ました。

メンチカツ?と思うくらい柔らかくほぐれるポークは叩いて柔らかく薄く伸ばしたのかな?

衣を付けて揚げた感じで、サクサクなんだけれど、Pan-Searedなので・・・焼いたんでしょうね・・・。

アチャリーポークで調べてみると、スパイスと一緒に茹でたポークをマリネしてから焼いているようです。

興味深い、そして美味しい

これはイギリス人も好きそう。

そしてもう一品、Prawn Kothamali(海老のコサマリ)

Kothamaliというのも初めて見る単語。

インドにはいろんな言語がありますからね・・・。

南インドのタミル語でコリアンダーの意味なんですね。

Kothamali Thogayal というコリアンダーリーフ(パクチー)のペースト状のチャツネを使った海老の料理。

ミント、ガーリック、ココナツクリームも使われていて・・・最後に自分でライムを搾って食べると、面白い複雑な味。

海老もぷりぷり。

前菜2コース目

Kasundi Paneer Tikka(カスンディーパニールティッカ)

カスンディーは西インド、ベンガルのマスタードソースの一種

そのカスンディーでマリネしたパニール(チーズ)をタンドール窯で焼いたものにマンゴーのチャツネと、ミントソース、乾煎りしたクミンが添えられています。

今が旬のアルフォンソマンゴーがゴロゴロ入ったチャツネが、なぜか懐かしい味。

全然魚卵系じゃないけど、なぜか明太子っぽい??・・・と友人と話してました。w

そして、前菜最後はMalai Stone Bass Tikka(ストーンバスのマライティッカ)。

マライはインド版のクロテッドクリーム(超高脂肪クリーム)。

クリーミーなマライソースに漬け込んだ白身魚、ストーンバス(スズキの遠縁、オオニベの仲間)をタンドールで焼いたものに、アボカドとミントのチャツネが添えてあります。

さて、これまで2人で4種類の小皿料理を味見してみましたが、どれもお上品サイズで、まだまだ食べ足りない・・・。

ボリュームたっぷりのメイン

最後のメインでお腹いっぱいになるかな?・・・などと心配するなかれ、ドーンと運ばれてきたメインのカレーたち。

左下からMalvani Prawn Curry(マルヴァニ海老カレー)Palak Paneer(ほうれん草とチーズのカレー)Dhungar Dal(スモーキーなレンズ豆カレー)、Old Delhi Butter Chicken(オールドデリー風バターチキン

そしてロティーナンバスマティーライス

写真は2人分ですが、かなりの量です。

実際にオーダーしたのは海老カレーとバターチキンだけだったのに!

パン類やご飯、豆カレーは他のレストランでもセットメニューに付いてくることが多いですが、パラクパニールまで付いてくるのは珍しい。

ここで特筆すべきは、美味しいと評判のバターチキンです。

私自身はあまりバターチキンは好きではないのですが、こちらのものはとても美味しかった!

チキンは炭火の香りも香ばしく、フェヌグリークリーフの香り華やか、旨味もたっぷり。

マルヴァニ海老カレーはバターチキンと同じ色ですが、味はココナツミルクベースで全く違います。

マルヴァニとは西インドの海岸沿いにあるムンバイとゴアの間にあるエリアの料理のことで、同じココナツミルクベースでも南インドのサラッとしたココナツカレーよりコクがあり、使われているスパイスも違い興味深い。

アラカルトメニューも気になる

今回はお得なランチコースでしたが、アラカルトメニューでも食べてみたい物がたくさん。

ハイデラバード風ビーフハリーム

ハリームはアラブ風の肉とレンズマメ、小麦粉のとろみのあるシチューで、イスラム教のラマダン(断食)明けのごちそうであるイフタールや、結婚式などにも食べられるそう。

ハイデラバードにはイスラム教徒も多く住んでいるそうなので、ビーフもアリなんでしょうか。

レシピを検索するとだいたい山羊か羊肉、チキンだし、ロンドンでハリームを食べられるところは他にあれどビーフハリームはなかなかお目にかかれない

ロブスターのサンバルイドゥリ

豪華だね。美味しそう。

インドのラグジュアリーホテルチェーンのレストラン

 

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こちらのホテル、野菜を使った草木染めの生地をブルックスブラザーズに卸したことで財を成したCaptain C.P.Krishnan が、妻Leelaの名前を冠して設立したラグジュアリーホテルチェーン、The Leela Palace。

そのホテル内にある高級インド料理レストランが、今回のジャマヴァールです。

ロンドン店は海外進出1号店で、孫娘のSamyukta Nair (サミュクタ・ナイル)さんが、父親のDinesh Nair(ディネシュ・ナイル)さんと共に設立。

 

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サミュクタさんはムンバイとロンドンで育ち、ジュネーブでMBAを取得。メイフェア在住の実業家。

姫ですね。

祖母のLeelaさんから受け継がれたナイル家のレシピを元に、エグゼクティブ・シェフのサレンダー・モハン( Surender Mohan)さんがキッチンを統括しています。

店内は意外と奥行きがあって広く、品よく落ち着いた雰囲気。

重厚なインテリアながらも、華やかに活けてあるお花などから女性オーナーらしさが伺えます。

お店の名前、ジャマヴァールとは、カシミアの織物でできたショールのことなのだそう。

地下にもテーブルやバーエリアがあります。

ワインは通常のボトル、グラスワインとは別にCoravinを採用。

コルクを開けずにボトル内にガスを充填し酸化を防ぐことができるので、ちょっと特別なワインを1杯だけ飲むこともできる。

エグゼクティブ・シェフはサレンダー・モハン【Surender Mohan】

 

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ロンドンで活躍しているインド人シェフは、オベロイやタージホテルのホテルマネジメント学校を出ている人が多い中、サレンダーさんはデリー大学で商学士の学位を取っていますいます。

その後ハイアット・リージェンシーやグランドハイアットのレストラン、そして今回のリーラ・パレスホテルのレストランであるジャマヴァールで活躍。

ロンドンに進出したジャマヴァールが星を落としてピンチに陥った際に、ムンバイから渡英し、当初は “ 取りあえず ” のポジションとしてエグゼクティブ・シェフに就任。

2019、20、21年と、そのままサレンダーさんが指揮をとり続け、22年版で見事、ミシュラン1つ星を取り返しました

国が違えば、文化も宗教も食材も違うし、人々の味の好みも違うし、試行錯誤が必要ですよね・・・。

才能ある野心的なシェフがたくさんいるロンドンで、ヘッドハンティングすることも出来たのでしょうが、サレンダーさんを信じて任せたオーナーも、しっかり星を取り返したサレンダーさんも、素晴らしい!

現代的ながらも奇をてらわない、本格的な高級インド料理が楽しめるお店だと感じました。また行きたいです。

 

訪問日:2022年5月9日

基本情報

お店の基本情報です。

ランチメニューの内容は定期的に変わります。

営業時間にも変動がありますので、お店のHP要確認。

・ E-mail reservations@jamavarrestaurants.com

・ 店舗ウェブサイト https://jamavarrestaurants.com/

電話番号 +44(0)2074991800
営業時間 ランチ 12:00 - 14:30 (日曜は 15:00まで)
ディナー 17:30 - 22:30 (日曜は21:30まで)
定休日 無し
住所 8 Mount St, London W1K 3NF
アクセス 地下鉄ボンドストリート駅から徒歩7分、グリーンパークから徒歩9分

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