レストランレビュー

ゴヴィンダス【Govinda's】ハレークリシュナのベジタリアン定食

ロンドン随一のショッピングストリートであるオックスフォードストリートを歩いていると、たまに見かける歌って踊る妙な集団

チンドン屋?ヒッピー集団?

いいえ、彼らは「ハレー・クリシュナ」

なかなか強烈なインパクトですよね。

この手の宗教ってちょっと関わらない方が良いかもなぁ・・・と思いつつも。

気になる。

・・・と言うか、興味津々

聞くところによると、ロンドン中心部の繁華街、ソーホーの真ん中に彼らの寺院があって、ベジタリアン食堂がけっこう美味しいらしい

美味しいんだ・・・。

これはもう、行くしかないでしょ。

・・・と言うことで、おひとり様ランチで行ってみました。

そして嬉しい驚きが!

今回はそんなハリークリシュナの食堂を紹介します。

ハレークリシュナの寺院付属食堂

オックスフォードストリートからZARAの角をソーホーストリートに入ってすぐ右手に見える、オレンジ色の綺麗な建物

右側に寺院とショップ入口、左側がレストランになっています。(冒頭の動画で2階の寺院部分が見られます)

更にそのすぐ先にはソーホースクエアガーデンズという小さな公園があり、オレンジ色の服を着た信者が談笑していたりするのをよく見かけます。

↑ お昼12時の開店前にお店から出てきたオレンジ色の服の白人のお兄さんは携帯通話中。

開店前から入り口前で待っている人が数人。

午後1時前には、なんと満席に。

コロナ禍でレストランはどこも空いているこのご時世に、満席って・・・まさかの大人気?

↑ 店内にはクリシュナの祭壇も。

カフェテリア形式の先払い

テーブルにメニューなどは無く、カウンター上にあるメニューと実物を見て、欲しいものを直接オーダーします。

↑ カウンターの頭上、左にターリー(セットメニュー)、右にアラカルトメニュー

お会計横にはデザートのケースがあり、手前にパン、パパダムが置いてあるので自分で取ります。

冷たいドリンクは窓側の冷蔵ケースにあるものを自分で取ってトレーに。

スイカのジュースやローズミルクなど、美味しそうな飲み物があって迷いましたが、今回はベリーのラッシーにしました。

↑ オーダーするとお店の人がよそってくれるので、トレーに乗せてお会計へ。

今回はお店の名前を冠したターリー(定食)The Govinda's(全部乗せ)をオーダーしてみました。

ベジタリアンで重くない・・・でも満足感はあり!

↑ こちらがThe Govinda's

バスマティーライスは白米か玄米か選べます。

結構な量・・・全部食べたら苦しくなるかもなぁ。

まずはサンバル(右側手前のスープ)、ひとくち食べて・・・

あら?美味しい!

辛くないけれどスパイスの香り豊かな優しい味で旨味がしっかりある。

時計回りに、野菜のスパイス蒸し煮っぽいカレーは野菜の甘さや旨味がよく引き出されており、辛すぎないスパイスと相まって、これまたイケる。

その隣りのカリフラワーのカレーも、コリアンダー(パクチー)の香りも爽やかで辛すぎず、左のパニール(チーズ)カレーも良いお味。

右側の濃い茶色いのは赤インゲン豆カレー

それぞれ味に個性があって、全部美味しい

ハレークリシュナ!

敢えて言えば、右奥、デザートのグラブジャムンは、シロップ漬けなだけにやはり甘すぎて食べれず、その左の四つ折りになったチャパティーの下に隠れていたパコラ(天ぷら・揚げ物)はかなり辛かったです。

しかし、肉や魚が一切無いのに、こんなに満足感があるのって凄い。

そして、苦しくなる量を食べたかと思いきや、全然胃が重くない

心地よく満たされた感じ。

なんだかとってもハッピー。

ここの食べ物は全て、サトヴィック食なのだとか。

サトヴィック食とは?

レストランのHPによるとヨガの伝統に従ってサトヴィック食という食事法を採用しているのだそう。(ハレークリシュナ信者はバクティ・ヨガというヨガを実践しています。)

サトヴィックとはプラーナ(生命力)に満ちた食べ物を食べることらしい。

ゴヴィンダズのサトヴィック食とは

  • 栄養価が高い
  • ホールフーズ(可能な限りオーガニック・未精製の素材を利用)
  • 肉・魚・卵を使っていない
  • 作り置きでなく毎日調理
  • 提供前に祝福されている

上記の祝福されているというのは、一度お供え物としてクリシュナ神に供えることで、調べてみるとこれは必ずしもサトヴィック食の特徴と言うわけではなさそうです。

店内レジ上にあるデザート・ドリンクメニューボードに、お店からのメッセージが。

「このお店の美味しい食べ物は、不純物の無いピュアなベジタリアンフードです。
毎日その日のうちに作られ、ゴヴィンダ(クリシュナ神)に供えられることで、カルマフリー(罪の生じないもの)となった食べ物です。
私たちはこの食べ物をプラサダム(お寺のお供え物のことで、礼拝後に信者が食べる)と呼んでいます。
身体にも魂にも良い食べ物。 私たちの大好きなこの食べ物を、きっとあなたも大好きになると思います!

私も大好きになった!

動物だけでなく植物にも命はあり、ベジタリアンなだけではカルマフリーではないとのこと。

いったんクリシュナ神に供えることで、クリシュナがカルマ(業、罪)を代わりに受け止めてくれるそうです。

実際に食べて美味しかったし、食後も胃もたれせず元気が出たので、カルマフリーはともかくとして、サトヴィック食にはとても興味を持ちました。

他のヒンドゥー教のお寺でもサトヴィック食レストランがあったので、興味のある方は併せて読んでみてくださいね⇩

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ビーガン、グルテンフリーにも対応

このお店で提供されるのは、全てピュアベジタリアン(調味料なども含め植物由来の食材のみ使用)ですが、メニューの料理名の横に「V」マークがあるものはヴィーガン対応

グルテンフリーなど、アレルギーなどによる要望がある場合は、お店の人に相談すれば食材について教えてもらえます。

場所的にもロンドンのど真ん中なので、ビーガン食事に制限がある方にとっては、困った時にとても便利だと思います!

 

訪問日:2022年2月25日

基本情報

お店の基本情報です。

メニューの内容は定期的に変わります。

営業時間にも変動がありますので、お店のHP要確認。

・ E-mail info@iskcon.london

・ 店舗ウェブサイト https://govindas.london/

電話番号 +44(0)2036870617
営業時間 12:00 - 21:00
定休日 無し
住所 9 Soho St, London W1D 3DL
アクセス 地下鉄トッテナムコートロードから徒歩3分、オックスフォードサーカス駅から徒歩8分

〖 おまけ 〗なんと、東京にもある!?

調べてみると、東京にもあるんですね!

・・・ある意味、系列店ですよね?これは。

都営新宿線船堀駅、徒歩1分。

ベジタリアンインディアンレストラン ゴヴィンダス

日本語では健康的で美味しいベジタリアン・・・としか書いていないけれど、英語の案内には詳しく書いてますね。

Govinda(クリシュナ)へのPrashad(お供え物)として供えた後に提供すること。

サトヴィック食であること。

カフェイン、アルコールだけじゃなく、にんにく、玉ねぎも使っていないこと。

食べログでもなかなか高評価のようですね。

マサラドーサ、美味しそう!

ハレークリシュナ東京寺院と住所が同じなので、寺院にレストランが併設されているようですね。

ヨガの先生のブログに、お寺やレストランの中の様子が詳しく書かれて興味深く読ませて頂きました。

終わりに(ハレークリシュナについて)

今回は宗教団体の食堂ということで、レビュー記事で他の方におすすめしていることもあり「ハレークリシュナ」という宗教団体についても調べてみました。

怪しい所や勧誘などがあるところは紹介したくないので。

まず、私が行ったロンドンの店舗については本当に普通の食堂だと思ってOKです。

確かに神様が祀ってあったり、宗教本がレジ横にあったりはしますが、勧誘などはいっさいありません。

信者と思われる方も多数いましたが、話しかけられたり何かを勧められたりするような雰囲気は全く無かったです。

いろんな人種、国籍の老若男女が、普通に食事していたし、ベビー連れのママもいました。

一体どんな宗教なのか気になったので、アマゾンプライムにあったHare Krishnaという映画(英語版)を観てみました。(日本で観られなかったらごめんなさい)

変動の60年代・・・アメリカでは、ベトナム戦争とそれに対する反戦運動、キング牧師やマルコムX ひきいる黒人の公民権運動と、それに伴っておこる暴力・・・

デモ、抗議運動、暴動が相次ぎ、社会不安が広がり、世の中に幻滅した若者に広がったヒッピー・ムーブメント。

時を同じくしてインドから布教のためニューヨークにやってきたハリークリシュナ(クリシュナ意識国際協会)の創始者、プラブパーダ

彼の唱える「神を愛し、マントラを歌い踊る」スタイルが「ラブ&ピース」を提唱するヒッピーの求める新しい生き方のスタイルに共鳴したんですね・・・。ほかにもさまざまな新興宗教が現れた時期でもあります。

白人が多いなぁと思っていたけど、アメリカで生まれたヒンドゥー系の新興宗教なんですね。

マントラを歌って踊り瞑想することで陶酔感が得られる・・・。

ぱっと見確かに怪しいんですけど、アルコールもカフェインさえも摂らず、肉食もギャンブルも不正な性行為も禁止・・・と、ヒンドゥー教の流れをくむ宗教で、創始者プラブパーダも真面目なお坊さんといった感じ。

ビートルズも瞑想やヨガにはまり込んでいたし、ジョージハリソンにいたっては自身の別荘を寄付したり、寺院を立てたりとかなり傾倒していました。

貧乏学生だったアップルの創始者スティーブ・ジョブズもハレークリシュナの無料のプラサードで生きのびたとのこと。

どんな宗教にも言えますが、信心深過ぎるのは世捨て人的な感じはありますよね・・・。

一流大学を出て官僚になる予定だった若者が入信して親が訴える・・・などいろいろあったようで、カルト指定されています。

冒頭のBBCの動画に出てくる女性は、大手会計事務所で働くエリートですが、いわゆる「普通の社会生活」をしながら、同時に信仰も実践しているそうです。

自分の人生に主軸を置きながら、宗教を取り入れることでよりハッピーになるのであれば、悪いものでもないのかな・・・と思いますが、バランスを保つのは難しいですよね。

特に体や心が弱っている時は。

この動画でも、歌って踊るハレークリシュナ信者たちを見守るロンドナーからは「面白くていいんじゃない?」的な感じで、基本的には忌み嫌われている感じではないようです。

宗教に対する考え方は人それぞれだと思いますが、レストラン利用に関しては問題ないと感じました

安くて美味しくて、健康的

私はリピします!

 

 

 

 

 

 

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