こちらのお店は、前回紹介したジャマヴァール【Jamavar】と同じオーナーとシェフのレストラン。(実は訪問したのはこちらが先です。)
インドのラグジュアリーホテルクループ、リーラ・パレスの創始者の息子、デニシュ・ナイル(Dinesh Nair)と、そのまた娘のサミュクタ・ナイル(Samyukta Nair)がオーナー。
ジャマヴァール【Jamavar】は、2016年にロンドン進出し、1年足らずでミシュラン1つ星獲得。
そして、2つ目のレストラン、今回紹介するこちらのボンベイバッスルをオープンします。
お店の名前、ボンベイ・バッスル【Bombay Bustle】は、ムンバイの喧騒という意味。
ムンバイは、歴史的な街並みの角を曲がれば、現代的な都会に出くわすような混沌とした街。
富と名声を求めていろんな種類の人たちがやってきて混ざり合うメルティングポットのようなところなのだそう。
そんなムンバイで人気の料理や、地元っ子がホッとするようなコンフォートフード、オーナーやシェフの家族のレシピなど、ムンバイのエッセンスがたっぷり詰まったお店とのこと。
イギリス領インド帝国(ブリティッシュ・インディア)初の汽車をイメージした店内インテリアにも注目です。
ミシュランガイドにも掲載されているこちらのレストランにおひとり様ランチで行ってみました。
買い物ついでに気軽にランチ
お店は老舗デパート、リバティーの前の通りを右に、リージェントストリートを突き抜けて進んだところにあります。
以前このブログでも紹介したカニシュカ【Kanishka】や、ボンベイバッスルとジャマヴァールのオープン当時のシェフであるロヒット・ガイの新店舗、マンサン【Manthan】も同じマドックス・ストリートに。
店頭にあるメニューを見比べて、前菜の鴨に釣られて今回こちらのお店の4コースランチにしてみました。
ランチは3コース or 4コース
今回は前菜2品、メイン、デザートの4コース。
前菜は小皿で2品
まずは、お目当ての Duck Chettinad Dosa(鴨のチェティナード風ドーサ)。
手の平に乗るくらいの可愛らしいミニドーサ。
チェティナードは南インドタミル・ナードゥ州の南にあるエリアのこと。
スパイスをたっぷり使ったチェティナード風の濃い目の味付けは、赤身の鴨の滋味深い味にバッチリマッチ。
ドーサもパリッとサクサク。
トマトのチャツネとココナッツのチャツネも付いていたけど、小さ過ぎて味の変化を楽しむ間もなくペロリ・・・。
そして2品目の Recheado Fish Tikka(レチェアド・フィッシュティッカ)グリーンチリヨーグルト添え。
白身の Stone Bassという魚は、コルビナとも呼ばれ、 Sea Bass(スズキ)の遠縁の巨大魚、オオニベの仲間らしい。
レチェアドとは、ポルトガル語で「詰める」という意味。
レチェアドマサラというスパイスミックスは、通常は魚に詰めて使うけれど、今回は巨大魚ストーンバスなので、切り身をグリルしてありました。
このスパイスミックス、元ポルトガル領のゴアならでは、ワインヴィネガーなんかも使われていておもしろい。
ストーンバスも初めて食べましたが、皮まで旨味があって美味しい。
グリーンチリヨーグルトは、ピリ辛で青唐辛子の香りが効いた水切りヨーグルトで、冷た辛くて面白い。
・・・結局、初めはドーサが小さくて残念な気がしたけれど、いろんな味を楽しめるというコンセプトも悪くない。
メインはボリュームたっぷり
前菜がお上品サイズだったので、まだまだ食べ足りない・・・。
メインは、Prawn Caldeen(海老のカルディーン)に、ナンとバスマティーライス、Panchmel Dal(5種類の豆のカレー)、Gobi Matar(カリフラワーとグリンピースのスパイス炒め)がついてきました。
Prawn Caldeen(=Caldine/Caldinho 海老のカルディーン)は、これまたゴア料理。
カルディーンとはポルトガル語で「魚のココナツスープ/シチュー」を意味するそうで、マイルドなココナツベースのカレー。
パンチメルダルもゴビマタールも、しっかり旨味があって辛すぎず、とても良いお味。
お腹いっぱいになったので迷いましたが、カルダモン好きなのでデザートも頼んでみました。
カルダモンパンナコッタ。
ミルクと相性の良いカルダモン、味は想像通り美味しかったけれど、ちょっと固めでした。
小さなグラブジャムン(シロップ漬けドーナツ)をカットしたものと、ナンカタイ(小麦粉とひよこ豆粉のビスケット)を砕いだものを散らしてあります。
ビーフとポーク、路線変更?
今回選んだのが、たまたま連続ゴア料理だったのですが、ウェイターさんがゴア出身の方でゴア料理についていろいろ教えてくれたので、ついでに図々しく聞きたかったことを聞いてみました。
「ゴアの人はビーフもポークも食べるんでしょ?」
「食べるよ~、僕はクリスチャンだからね~。」
でも、私が訪問した際(2022年1月)はメニューにビーフやポークは無かったんです。
調子に乗って他のウェイターさんにも聞いてみたところ、やはり州によっては食牛を禁止しているところもあり、自分は食べないと言っていました。
でも今現在(2022年5月)は、サンデー・ブランチのRailway Breakfast(インド版イングリッシュ・ブレックファストのような感じ)でベーコンがあったり、クリスチャンが多い南インドケーララのビーフペッパーフライやスリヤニビーフカレーなども、メニューに加わっています。
日本人は山羊肉や羊肉が苦手な方も多いですし、選択肢が増えるのは嬉しいところです。
メイフェア発、汽車に乗ってムンバイへ
Winter Carridge(クリスマス前後のフェスティブな装飾をほどこした車両をイメージ)は、期間限定でしたが、店内を紹介している右側の女性が、今回のお店のオーナー、サム(サミュクタ)さん。
イギリス統治時代、イギリス領インド帝国最初の汽車の車内をイメージして、内装の一部は本物と同じものを採用。
各テーブルにあるメタルプレートはインドで使われているものと同じもの。
奥のキッチンからインド人スタッフの賑やかな声が聞こえてくる。
お手洗いへの通路は、まるで電車に乗っているみたい。
地下はアールデコ装飾の華やかな客車風。
系列のジャマヴァールは、オーナーのサムさんがおばあ様をイメージした、よりトラディショナルで上品な雰囲気であるのに対し、ボンベイバッスルは肩ひじ張らず、おひとり様やお昼休みのランチもウェルカムな雰囲気です。
場所柄、リーズナブルな価格設定ではないけれど、今やミシュランスターシェフであるサレンダー・モハン(Surender Mohan) のインド料理を、気軽に食べられるのは嬉しい。
訪問日:2022年1月21日
基本情報
お店の基本情報です。
ランチメニューの内容は定期的に変わります。
営業時間にも変動がありますので、お店のHP要確認。
・ E-mail info@bombaybustle.com
・ 店舗ウェブサイト https://bombaybustle.com/
電話番号 | +44-20-7290-4470 |
営業時間 | ランチ 月曜‐土曜:12:00 - 14:30 日曜:12:00 - 15:00 |
ディナー 月曜‐土曜:17:30 - 22:30 日曜:17:30 - 21:30 | |
定休日 | 無し |
住所 | 29 Maddox Street Mayfair, London W1S 2PA |
アクセス | 地下鉄オックスフォードサーカス駅から徒歩4分、ピカデリーサーカス駅から徒歩9分 |